2022年6月19日日曜日

天皇はどこに住んでいたか

天皇はどこに住んでいたか

■ 平家物語・巻第五「都遷」の後半は、
 インターネットでは見られないのかな、と思ったが仮名書きモノがあった。
■ 見にくい。
■ 手元の文庫本をざっと見てみよう。
  1. 神武天皇より景行天皇まで一二代は、大和の国郡々に都を建てて、他国には終に遷されず。
  2. 然るを成務天皇元年に近江国に遷って志賀の郡に都を建つ。
  3. 仲哀天皇二年に長門国に遷って、豊浦郡に都を建つ。
  4. 神功皇后、女帝として、異国の軍を鎮めさせたまいて、帰朝の後筑前国三笠郡にて皇子御誕生、やがてその所を産宮とぞ申しける。
  5. その後神功皇后は大和国に遷って、磐余稚桜宮におはします。
  6. 応神天皇は、同じ国軽島明宮に住ませ給ふ。
  7. 仁徳天皇元年に、摂津国難波に遷って、高津宮におはします。
  8. 理中天皇二年に、又、大和に遷って、十市郡丹都を建つ。
  9. 反正天皇元年に、河内国に遷って、柴籬宮に住ませ給ふ。
  10. 允恭天皇四十二年に、また大和国に遷って、飛鳥の飛鳥宮におはします。
  11. 雄略天皇二十二年に、同じ国泊瀬朝倉に宮居し給ふ。
  12. 継体天皇五年に、山城国綴喜に遷って12年、その後乙訓に宮居し給ふ。
  13. 宣化天皇元年に、また大和国に遷って、檜隈入野宮に住ませ給ふ。
  14. 孝徳天皇大化元年に、摂津国長柄に遷って、豊崎宮に住ませ給ふ。
  15. 斉明天皇二年に、また大和国に遷って、岡本宮に住ませ給ふ。
  16. 天智天皇六年に、近江国に遷って、大津宮におはします。
  17. 天武天皇元年に、猶大和国に帰って、岡本南宮に住ませ給ふ。これを浄見原御門と申しき。
  18. 持統文武二代の聖朝は、藤原宮におはします。
  19. 元明天皇より光仁天皇七代は、奈良の都に住ませ給ふ。
  20. 然るを桓武天皇の御宇、延暦三年十月三日の日に奈良の京春日の里より、山城国長岡に遷って、・・・、延暦十三年、長岡京よりこの京に遷されて、
  21. 帝王は三十二代、星霜は三百八十余歳の春秋を送り迎ふ。
■ 平家物語・都遷りは、当時の歴史観だ。
■ 桓武天皇は、宮内庁・天皇系図によれば、50代で、781-806年
■ 平清盛が福原遷都し、
  • 咲き出づる花の都を振り捨てて風ふく原の末ぞあやうき
■ と、歌がある。
■ 安徳天皇が八一代、1180-1185年だ。
■ ・・・
■ 古事記、33代の推古天皇まで記載されている。
■ 日本書紀は、41代の持統天皇まで記載されている。
■ さて、第34代舒明天皇の時は奈良湖があった、
■ 奈良湖が無くなったのはいつかはと思い、ざっと見たが
■ この平家物語の記述では、名前が出てこない天皇もいて、あまり役に立ちそうもない。
■ ただ、漢風諡号で「神」と名のついた天皇に注目するのもひとつの道かもしれないと思う。
 

奈良湖が無くなったのはいつか

奈良湖が無くなったのはいつか


■ 奈良盆地の溜まっていた水が無くなったのはいつ頃なのか、と思う。
■ 例えば、万葉集の2番目の歌のころは奈良湖はあった。
  • 國原波 煙立龍 海原波 加萬目立多都
  • 大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島 大和の国は
■ 水の上には住んでないはずだから、
■ 歴代の天皇がどこに住んでいたかは参考になると思う。
■ 平家物語・巻第五「都遷」には
  • 都遷りはこれ先蹤なきにあらず。神武天皇と申すは、・・・・
 とあるので、このあたりを見ればざっと分かりやすいかと思った。
■ しかし、この部分は、羅列的なので、
■ インターネットで探しても、どうやら、出てこない感じだ。
 まあ、いいか。
■ 以前、書籍自動ディジタル化、の話があったような気がするが、その後はどうなのか。
■ さて、平家物語に戻ると、
  • 神武天皇より景行天皇まで一二代は、大和の国郡々に都を建てて、他国には終に遷されず。
  • 然るを成務天皇元年に近江国に遷って志賀の郡に都を建つ。
  • 仲哀天皇二年に長門国に遷って、豊浦郡に都を建つ。
■ ここまでで、「大和」「近江」「長門」と天皇の住むところが変わっている。
■ 長門の国は今の山口県西あたり。
■ 宮内庁の、天皇系図を見ると、仲哀天皇は14代で、舒明天皇は34代なのでまだまだ後のことだ。
■ 仲哀天皇の后、神功皇后はまた大和の国に戻ってくる。
■ なので、頁を改める方がいいようだ。

2022年6月15日水曜日

記紀と人の名・彦火火出見

記紀と人の名・彦火火出見

■ 漢風諡号、例えば、神武天皇という呼び名は
 奈良時代に淡海三船(722~785)に より付けられたとのことで
■ それ以前、
■ 712年に書かれた古事記は音読み交じりの漢字で書かれている。
  • 次若御毛沼命。亦名豐御毛沼命。亦名神倭伊波禮毘古命。
  • 神倭伊波禮毘古命。自伊下五字以音。
  • カムヤマトイワレビコノミコト
■ 人の名は長いのも多く、覚えにくい。
■ 日本書紀では、
  • 神日本磐余彦天皇。諱彦火火出見 ヒコホホデミ
■ とある。
■ 神武天皇は、九州から奈良に移った。
■ 今までの生活を捨てるのはかなり決心がいる。なぜ移ったのか、
 原因というか理由があるはずだ。
  • ■ 火出見、だから
  • ■ あるいは阿蘇山の噴火かもしれない。
■ 噴火の程度により、その土地を捨てる決心したとしてもおかしくない。
■ これ以上の理由があるだろうか。
■ 阿蘇山の噴火はいつだったのか。
■ ボーリング調査をすれば、いつ頃、何度噴火したかが分かるだろう。
■ カルデラ湖ができ、その水がなくなり、というか、
 外輪山の一部を削り排水し、耕作していたが、
 しばらくして、また、噴火が続いたように思われる。
■ 奈良盆地に移動したときも、奈良湖だった。
■ 同様に、山崩れでふさがれていた川の土砂を除き、排水した。
■ まあ、そういうことも考えられるだろう。
■ 仮説だ。
■ 東征の理由について読んだことがない。
■ 幾つか仮説を立てると、色々考え方も広がることだろう。
■ 阿蘇山の地図と奈良盆地の地図を比較してみるのもいいかもしれない。
■ 土地の区切りがよく似ている。
■ 阿蘇山の農地はいつ頃出来たのか、と思う。
■ 今2022年だが、日本書紀は720年に完成したとされている。
■ 約1300年前に書かれた歴史書にある名前、
  • 彦火 火出見 
  • ヒコホ ホデミ
■ この神武天皇の元々の名前、
■ いつ頃から使われ
■ その名前が使われるような言語空間はどのようだったのか。
■ ひとつの例を挙げたが、古事記にはたくさんの名前がでてくる。
■ その名前を使っていた人々、文化が当然あったはずだ。
■ 人々が生活していて、心、感情や理性があったはずだ。
  • ■ 認識が言葉に現れる。
■ 言葉に感じ方や考え方が込められている。
■ ことばとは何かをごく基本に立ち返って感じ、考えることが重要だ。
■ もちろん、神武天皇は神ではないし、
■ 元々、神と漢字で書かれる神は存在してない。
■ これは先にも書いた。
■ 阿蘇山以外には、桜島などもあるかもしれない。
■ 日本は火山列島だ。
■ 九州にもたくさんある。
■ ついでながら、これって何だろう。
■ 海底だが、人工物のような感じがする。
 

2022年6月13日月曜日

歌ひとつ拾ってみた

歌ひとつ拾ってみた

■ 2022-06-11(土曜日)、日本経済新聞・朝刊の歌壇に次の歌があった。
  • ずっと好きでいた訳じゃない憎んだり嫌いになったり出来なかっただけ 東大阪 麻子
■ 57577ではない。
■ とりあえずかなで書いてみよう。
  • ずっとすきでいたわけじゃない
  • にくんだりきらいになったり
  • できなかっただけ
■ 若い人の歌のように思える。
■ 相手が誰か、
■ 女友達のような感じだ。
  • あんた あんなコと いつまで つきあってるの
■ そんな問いかけに応えたのかもしれない。
  • いいわけ短歌
■ 女友達だったとするなら、こんな歌にすることもない。
■ ただ付き合わなければ、次第にうすれてゆく。
■ しかし、
■ 他に、新しい友達もできないのかもしれない。
■ 「ずっと好きでいた訳じゃない」と最初に書いたのは、
■ 好きな時もあったけれど、ということなのか。
■ どこかの時点で、思い違いだった、と気が付いたのかもしれないし、
■ つきあっていて、次第に相手のことが分かってきたのかもしれない。
■ 本当は好きではなかった、というか、好きというほどでもなかったという感じか。
■ 「できなかっただけ」という言葉は、
■ 自分の弱さなのか、相手に対する、ある種の思いやりなのか。
■ とにかく、独り言ではなく短歌形式にした方がよい。
  • にくんだり
  • きらいになったり
  • できなくて
  • すきでもないが
  • すぎてきただけ
■ ふうむ
■ 相手が「配偶者」という場合も考えられる。
■ 好き嫌いということではなくて、別の関係もあるかな。
  • 憎んだり 嫌いになったり したくない 愛というには ほど遠くても
■ こんな感じかもしれない、と最初は思ったが、違うようだ。
■ しかし、どうでもいい、といえば、どうでもいい。
■ ただ、こうした歌で、心を表現しようとしているので、
■ 客観的に、その心理状態を自分自身で見直せば、
■ 独立した歌として作り上げることもできるのではないか。
■ 他の人にも、共通する問題でもあるからだ。
■ ・・・
■ 状況は全然違うだろうけれど、
■ オリビア・ハッセーと別れた布施明の歌を思い出した。
■ この歌詞は、もう少しどうかならないかと思うが、
■ 彼は歌がうまい。
 

2022年6月5日日曜日

地名のコト、春過ぎて夏きにけらし

■ 洗濯物が干してあるのを見て、衣更えの季節になった。
■ 夏が来たと感じる女の天皇の感性があった。
■ 季節の変わり目を感じるきっかけは人それぞれだろう。
■ たとえば、
  • はるすぎて なつきにけらし しろたえの 日傘くるくる まわし行く人  遊水
■ 上の句と下の句の論理的つながりとでもいうか、
  • 何により、夏が来た、と感じたのか
■ 天皇という最高位にあるものが、染色していない粗末な白い衣服、つまり、
■ 庶民の営みをみて、自らは衣服に困ることのない天皇が、
■ 間接的に、彼らを思いやった歌ととらえることができる。
■ ・・・
■ 歌の中の地名をその由来まで立ち返らなくてもいいものを
■ 「天の」などあるから「angel」などとする英訳がある。
■ まあ、アホだ。
■ ・・・
■ ちょっと現代風に書くと、
  • はるすぎて なつがきたんだ ホラ白の 日傘くるくる まわし行く人
■ 詩的ではないけれど、・・・
■ ・・・