2026年6月4日木曜日

前衛、と 題詠

■ 2026-06-04
■ 先日、日本経済新聞・夕刊に、馬場あき子の記事があった。
「短歌でいえば、今の歌人は塚本邦雄や葛原妙子のような前衛を自分たちの先祖だと思ってますよね。それもいいけど、・・・根っこのないものは弱いですよ」などとあった。
■ それで、高野公彦編「現代の短歌」を見たが、よく分からなかった。
■ たとえば、最近見た「歌集 ゆふすげ 美智子」では、すべての歌に「題」が付けられている。要するに、題詠だ。
■ 前衛と言われる歌人の歌は、何についての歌なのかが分かれば、あるいは、分かるのかもしれない。
■ なぜ、その歌があるのか、なぜ詠わねばならないのか、言葉は伝えるためにある、と思っているが、何が何やら分からん。
■ 塚本邦雄は、新選・小倉百人一首で、考え方は、まあ分かる。
■ 前衛など意識したことはないけど、馬場のいう「理屈でなく楽しいことを、面白がる者が世の中を前に進めるの」、これはこれでいいけど、彼女の歌に面白さを、あまり感じられないので、どんなもんかと思う。

2026年5月27日水曜日

この時期、紫陽花、と、小野小町

■ 2026-06-01
■ 百人一首の小野小町の歌は気になる歌のひとつだった。自分で考える前に人の解説を読んだのがよくなかった。
■ 桜は日本にとって象徴的な花で、一時期、軍国主義的に利用されることもあった。それは、「美しく潔よい」花、という印象付けがなされたからだが、花自体がもつ特徴でもある、多くの人が納得した「色褪せる前に散ってしまう」からだった。
■ 「花言葉」があるように、人は思いを花に託すようだけれど「花」を「桜」とするのは単純すぎる。
■ 令和の時代のいま、「花見」目的で来日する人も多いようだ。
■ 華やかな明るい印象があるからだろう。

■ 2026-05-30
■ 2026-05-29

第一段階
■ 島津忠夫の解説に疑問を持った。
  • 美しい桜の色は、もう空しく色あせてしまったことであるよ。
■ これ、何か違和感がある。桜は色あせることなく、散ってしまう。

第二段階
■ 桜でなく紫陽花ならば、どうだろう。しっとりしていい感じだ。
■ 「ながめせしまに」という時間経過にも違和感はない。

第三段階
■ ここで、藤原公任が小町の代表作とした歌を見てみよう。
■ こっちの方が、分かりやすい。
■ 並べおいて、比較してみよう。
■ 「人の心の花」は植物の花ではない。

第四段階
■ ならば、この歌でも「花の色は」の花も比喩的に使われたのではないだろうか。
■「色」は「心」だった。
■ ということで、ここまできた。

第五段階
■ 生きてゆくための生活基盤はどこにあったのか。
■ ただ歌を詠むだけで生活できたわけではない。
■ 男も女も、食わねばならぬことは、今でも同じだ。
  • あら、この頃、お肌の艶が、などと
■ 自分の容姿を気にしている心のゆとりがあった、というような時代とも思われない。
■ それに、姿見というような、大きな鏡もなかっただろうし。
  • 同じ心を歌っているようだ。
■ と思ったけれど、同じ心には違いないが、「続き」だととらえた方がいいように思う。
■ 自分自身ではなく、相手に関する言葉である方が納得できる。

花の色は うつりにけりな いたずらに
人の心は うつりにけりな いたずらに

■ 発想の順番からは、もちろん「人の心」の方が先になる。
■ 「ひとのこころは」では7文字だし、直接的表現を避けて「花の色は」になったものと考えられる。
■ 「歌」だけで生きていけないのは今でも同じ。
■ 歌を詠むことができる知性が、現実社会にたいする感覚を阻んだのではないか。
■ 恋に関して臆病だった感じもする。
■ そういう意味で、古今和歌集の紀貫之の評は納得できる。

第六段階
■ 百人一首で、小野小町の代表作として選ばれてしまって、既に存在している。藤原定家がどう考えたかは、今のところ必要はない。歌自体を問題としている。歌の意味は作者に聞くのが一番だろうが、作者はいない。他の作品を読んで間接的にとらえればいいのかもしれない。関連作品としてひとつとりあげただけだが、これで一応、解決したと考えていいだろう。
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■ 2026-05-27
■ この時期になると、小野小町の歌を思い出す。
■ 長雨に咲く紫陽花の花を見ると、しみじみと、もの思いにふける時間がある。
■ 「花色」から、人は、なぜ、あわただしい桜など思い浮かべるのか、分からん。
■ 紫陽花は、花の色はなくなり枯れても、そのまま形が残っている。
■ 美人にとっては残酷、といえば、残酷だ。
■ まあ、人が花を桜とみたからといって、そのとらえ方をどうすることもできない。
■ 小野小町の歌は、いい。
■ 歌は心だ。
■ 一般的に、桜は華やかで明るい印象で、「花の色」の花は、私の桜の印象とはかけ離れている。花見に繰り出す人の群れをみてもいい。

色みえで うつろふものは 世の中の 人の心の 花にぞありける  こまち
花の色は うつりにけりな いたづらに わがみ世にふる ながめせしまに  小野小町

■ この二つの歌に使われている言葉を上げると五つもある。
  • うつろう、うつり
■ 同じ心を歌っているようだ。
■ あることの前後という感じがする。
■ 「人の心の花」はもちろん植物の花ではない。
■ 試みに、「花の色は」を「人の心は」と置き換えて見ると何が見えるだろうか。

人の心は うつりにけりな いたづらに わがみ世にふる ながめせしまに  小野小町

■ 昔、お見合い写真、というものがあった。今もあるのかどうか知らない。
■ いつの間にか「わがみ世にふる」となり婚期を逃してしまった、という感じがしないわけでもない。
■ 相手の気持ちが分からない「心変わり」を感じる時もあった。
■ あるいは、気位が高く、高望みしたり、逆に、自信がなく弱気で、飛び込めなかったりして、眺めているだけで、決心がつかない。
■ 時は、あいまいな自分の心とは無関係に経ってゆく。
■ それが「世の中」というもの。
■ 青春は案外短い。

2026年5月25日月曜日

ふたたび、花吹雪の歌、おさなごが ゆきとゆびさす まどのそと まことゆきかと さくらちりゆく  遊水、2026-05-26,追記

■ 2026-05-25
■ 先に、この歌を取り上げた。

   花吹雪
「雪」といふうまごの声に見し窓にまこと雪かと花舞ひしきる  美智子
幼子の声に振り向く窓の外 まこと雪かと散る桜かな   遊水

■ 「うまごの声に 見し窓に」このように孫と作者とのやり取りに家族間の愛が感じられ、いい歌だと思う。
■ 長男の子一人、次男の子三人のうちの誰かだろうが、平成二十九年の歌に「うまご卒業す」とある。「雪といふ」の歌は平成二十六年の作だ。同じ人のことかどうか、
■ 私には孫がいないので、幼子、としてみた。
■ 最初読んだとき、幼い子で、語彙がごく少ないときの作かと思ったけれど、孫は関係性を表す言葉で、必ずしも年齢とは関係はないので、そうではないのかもしれない。
■ よくわからない。ただ、孫の声は「ゆき」で、「雪」と聞いたのは作者だから、その辺が気になって最初とりあげた。
■ しばらくして、もう一度、と思ったとき「花舞ひしきる」が出てこなかった。私には詠めない言葉だったようだ。
■ 真似しようとしてもできない。
■ 人それぞれの感覚があり、言葉がある。
■ そして、状況を記述するだけでいいように思い、今回は次の歌になった。

花吹雪 まこと雪かと 桜散る
おさなごが ゆきとゆびさす まどのそと まことゆきかと さくらちりゆく  遊水


2026年5月23日土曜日

水中花の歌

■ 2026-05-23
■ こっちのブログに書いているつもりだったが、↓、ここに書いてしまった。

2026年5月18日月曜日

本歌取り、短歌と俳句。花吹雪 異国の人に 説明す 「まこと雪かと花舞しきる」さま。花吹雪 孫の指さす 窓の外  遊水

Bing 動画 「枯葉 Les Feuilles Mortes」イヴ・モンタン Yves Montand

■ 2026-05-18
■ ・・・
■ が、まず、小林秀雄・考えるヒント・言葉、の冒頭を引用しよう。
    • 本居宣長に、「姿ハ似セガタク、意は似セ易シ」という言葉がある。
    • ここで姿というのは、言葉の姿の事で、
    • 言葉は真似し難いが、
    • 意味は真似し易いと言うのである。
    • 普通の意見とは逆のようで、普通なら、・・・
■ 以前も何度かこのことに触れた。
■ そして、思う。
■ 短歌など、それを理解するなら、自分の言葉にするしかない、と。
■  ・・・
■ 本歌取り、短歌と俳句、
  • 夏過ぎて 秋は来にけり 枯葉散る あきのこころは うれいなりけり  遊水
  • 枯葉散る 秋の心は 愁いかな
■ 話変って、・・・記憶に残る歌の言葉。
■ 感性が素晴らしい。

   花吹雪
「雪」といふうまごの声に見し窓にまこと雪かと花舞ひしきる  美智子

   花吹雪 まこと雪かと 桜散る
幼子の声に振り向く窓の外 まこと雪かと散る桜かな   遊水

■ 「花舞ひしきる」とはなかなか詠めない。

花吹雪 異国の人に 説明す 「まこと雪かと花舞しきる」さま
Cherry blossom blizzard—explaining to a foreigner, 'It really seems like snow as the flowers whirl about.'
桜の吹雪—外国人に説明する時、「花が舞い散る様子は、本当に雪のように見えます。」

幼子の指さす窓を振り向けば まこと雪かと散る桜かな
Copilot
When I turn to the window my little child points at, the falling cherry blossoms look just like real snow.
google 
Turning towards the window the little child is pointing at, I see cherry blossoms falling, truly like snow. 
幼子の声に振り向く窓の外 まこと雪かと散る桜かな
 Turning around at the sound of a child's voice, I see cherry blossoms falling outside the window, truly like snow.
花吹雪 孫の指さす 窓の外  遊水