2026年9月1日火曜日

ふるさとを とおくはなれて ひとりすむ きみもみてるか いまこのつきを

■ 2026-09-01

  八月十五日夜、禁中独直、対月憶元九  白居易
銀台金闕夕沈沈
独宿相思在翰林
三五夜中新月色
二千里外故人心
渚宮東面煙波冷
浴殿西頭鐘漏深
猶恐清光不同見
江陵卑湿足秋陰

■ 「三五」とは「さんご・じゅうご」のお月さん、頓智もあるか 十五夜の月

ふるさとを とおくはなれて ひとりすむ きみもみてるか いまこのつきを
故郷を 遠く離れて 東京で 君も見てるか 今この月を

2026年8月31日月曜日

めぐりくる きせつはいまも かわらねど みちゆくひとに しるかおもなく  遊水

■ 2026-08-31
■ 塚本邦雄は、定家の上げた歌を否定して、大江千里の歌として、新撰・小倉百人一首、と、王朝百首にそれぞれ次の歌を取り上げている。

照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の 朧月夜に しくものはなし  大江千里
ほととぎす 五月待たずぞ 鳴きにける はかなく春を 過ぐし来ぬれば

■ 個々の歌の好みは、人それぞれだ。なので、否定されたからといって、それがどうした、ということだ。

月見れば 千々にものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど  大江千里

■ 分かりやすくていいじゃないか。白楽天の「~ 秋来只為一人長」を元にしたからと言って、漢詩臭くはなく、万人の思いをよくとらえている。 
■ 私は、歌自体でなく、百人一首の歌の並びが気になる。この歌の次は、「菅家」すなわち菅原道真の歌だ。
■ なぜ道真の歌がここにあるのか。
■ おそらく「漢詩」にからめてだと思われるが、なにか不自然だ。
■ ここで「百人秀歌」の並びを見てみよう。漢詩関連の歌が並んでいる。

27 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらん
28 人はいさ 心も知らず 故郷は 花ぞ昔の 香ににほひける
29 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
30 月見れば 千々にものこそ 悲しけれ 我が身ひとつの 秋にはあらねど

■ 「人はいさ~」の歌は、島津忠夫の解説などに惑わされず、定家は、唐の詩人劉希夷の詩「代悲白頭翁」の詩の一部を連想したと考えてよい。

年年歳歳花相似
歳歳年年人不同

■ これを、私なりに歌にすれば、とりあえず、こんなところか。
  • 巡りくる 季節は今も 変わらねど 道行く人に 知る顔もなく  

かえりみて こころゆくまで ちるはなと あいみることの いくどありしか

■ 2026-08-31
■ ・・・

ねばならぬ ことなどおおく ありければ ことしのはなの さかりのがして
かえりみて こころゆくまで ちるはなと あいみることの いくどありしか

2026年8月30日日曜日

やわらかな しらべがそこに あればいい さみしいこころ うれしいこころ  遊水

■ 2026-08-30
■ 「なめらかな」もどうかな、と思ったけれど。

やわらかな しらべがそこに あればいい さみしいこころ うれしいこころ
やわらかな しらべがそこに あればいい かなしいこころ たのしいこころ


2026-08-30  吹田市・千里南公園

2026年8月29日土曜日

句題和歌 春翁酒易悲 ・・・ 老いたれば めぐる春こそ 悲しけれ 酒を飲みつつ 見る桜かな  遊水

■ 2026-08-29
■ 2026-08-27

春翁酒易悲  あはれとも わが身のみこそ 思ほゆれ 儚き春を 過ぐし来ぬれば
餘花葉裡稀  ちりまがふ 花は木の葉に かくされて まれににほへる 色ぞともしき
春盡啼鳥廻  限りとて 春の過ぎにし 時よりぞ 鳴く鳥の音の 痛く聞こゆる
蓮花水上紅  秋ならで はちす開くる 水の上は くれなゐ深き 色にぞありける
枝空花落稀  吹く風に 枝も空しく なりゆけば 落つる花こそ 稀に見えけれ
鳥思残花枝  鳴く鳥の 聲深くのみ 聞ゆるは 残れる花の 枝を詫ぶるか

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この現代語訳はないものか


『句題和歌』(大江千里集)を撰集・献上している。『古今和歌集』の10首を始めとして、以降の勅撰和歌集に25首が入集している

■ 「春翁酒易悲」これは大江千里自身の漢詩かもしれないと思ったが、白楽天の詩のようだ。


唐代 白居易
位逾三品日,年过六旬时。
不道官班下,其如筋力衰。
犹怜好风景,转重旧亲知。
少壮难重得,欢娱且强为。
兴来池上酌,醉出袖中诗。
静话开襟久,闲吟放醆迟。
落花无限雪,残鬓几多丝。
莫说伤心事,春翁易酒悲



老いたれば めぐる春こそ 悲しけれ 酒を飲みつつ 見る桜かな  遊水