2022年10月11日火曜日

ひさしぶり ひかりのどかな はるなのに こころみだして はなはちりゆく

静心なく花の散るらむ
  • 久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ  紀友則
  • ひさしぶり ひかりのどかな はるなのに しずごころなく はなはちるのか  遊水
■ 桜の時期は、いつもいい天気とは限らず、雨であったり、強い風が吹くこともある。
■ 今年、2022年の春も、まだ見られるかなと思っていたが、強い風に桜の花は散ってしまった。
■ せっかくの ひかりのどかな はるだから きょうもさかりと さいていてくれ  遊水
■ そんな紀友則の心だ。
■ 馬場あき子著「百人一首」には次のようにある。
  • [歌の心]
  • 空から降るはるかな春のひかり、
  • うらうらとのどかに心をやわらげる明るい空間。
  • そんな日にさくらよ、静かにとどまる心もなく散りいそいでゆくのか。
■ そして、
  • 「古今和歌集」の「春歌下」の巻はほとんど桜が散る歌で埋まっている。
  • 人々は花が作のを待ち、ついで散るのを惜しむ思いに、さまざまな感慨を加えていった。
  • この友則の歌もそうした歌群の中にあるが、ひときわ沈静な気分をたたえて、
  • 友則の「いま」の心情を静かに伝えている。
■ こんなふうにあるが、こうした解説は何なんだろう。
■ なにが「ひときわ沈静な気分」なのだろうか。
■ よくわからん。
  • ひさしぶり ひかりのどかな はるなのに こころみだして はなはちりゆく  遊水
■ とりあえず、文庫本の「古今和歌集」を開いてみた。
■ 番号がふってある。69~134だ。
■ 藤の歌が3つ、山吹の歌が5つある。
■ 友則の歌がやはり一番かと思うが、
  • 残りなく ちるぞめでたき 桜花 有りて世の中 はては憂ければ
  • うつせみの 世にも似たるか 桜花 さくとみしまに かつちりにけり
  • 春さめの ふるは涙か さくら花 ちるををしまぬ 人しなければ
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