バカの壁 - Wikipedia 2003-04-10 出版。最初に「常識」の話がある。養老孟司 講演
■ 白川静「字通」を見ると、「呪」は「祝」の意味にも使われた例もあった、ようだ。
■ しかし、まあ、呪いとは、言葉や、意識で、念力で、あるいは、人ガタに針を刺すなどの行為で、怨み、憎しみのある相手を貶めたり死に追いやろうとするコトだが、特定の誰かを相手にするのでなく、客観的に見て、そのような状態に、あたかも、金縛りのように、硬直状態にあることも、一種の「呪い」がかかっていると理解していいかもしれない。
■ 「怖い」とみんなが言うから「怖い」。本当は「幽霊の招待見たり枯れ尾花」であったとしても、多くの人がそれに気づかず固定観念というか意識として存在しているものはある。多くの意識が仮想現実を作り出す。嘘がまことになると困ったものだ。
■ あんた、知らへんのォ、みんな知っとるでェ、常識やんかァ、などと常識の意味を理解せず、論理を無視し自分の都合よい意見を押し付けようとする、非常識な「常識」もあり、いわば、呪いに属することばに分類してもよいかもしれない。
■ 無意識に、特定のでなく、禍を与えようと意図するものでなくとも、安易に信じることが世に影響を及ぼすことはある。
■ 言葉は多くの人が使用するので変化してゆくが、いったん定着するとなかなか、変えられないものでもある。特に権威ある人、というか、よく知られた人が発言すると自分で考えることもなくなり、その言葉がそのまま、あたかも自分の意見であるかのように、口にされることもある。
■ 和歌に於いて「枕詞」という用語がある。これもそのひとつだ。
■ 共通概念を、簡単にするために用いる用語だが、意味不明の言葉を枕詞に分類すると困ったことになる。いわば無知なる「枕」の呪いだ。
■ そして「枕」を「暗号」だと認識するものも現れたようだ。
■ ガタンと何かの衝撃で、毒リンゴを吐き出す白雪姫は、己の美貌を自慢する女の呪いから逃れられたが、彼女一人だったからだ。広く普及した「枕」の呪いは解けることなく、常識的・論理的な見方が示されたとしても、数には敵わないことだろう。
■ なので、言い争いたくはない。無駄だ。
■ 前置きが長くなった。
■ 百人一首の歌で、難解とされるが、私にはよく分かる歌がある。
■ 在原業平の、古いカルタに「千早振る」と書かれた歌だ。
■ 一時流行ったブランド名がモノをいう、ルイビトンのバッグと同じで「ビニールなのにね」という人がいたが、「高かったのよ」という価値観の人には通じない。
■ また、恩師に逆らっても得はない、との人生を送る学者を相手にしてもしょうがない。一つや二つ、些細な事だ、と無視するだろう。
■ 無知な貧乏貴族の手内職であっても、金箔カルタは、価値あるものだった。
■ 多量生産のカルタになっても、書かれた文字がそのままであれば、文字の持つ力に変わることはない。
■ 推理小説はひところ知的遊びだとして読まれたこともあった。
■ しかし、しょせん作り物だ。飽きる。
■ 難解とされる歌を対象に考える方が楽しい。
■ 事実とは何か、本当のところはどうなのか、推理というより、論理だ。
■ さて、結論を先に書くと
■ 夏目漱石は、明治29年秋に香椎宮を訪れている。
秋立つや千早古る世の杉ありて 漱石。香椎宮
■ この歌を、明治29年9月25日に子規に送り、正岡子規・選句集「承露盤」にある。
■ そして藤原定家はこの言葉を知っていた。
■ 時代としては逆だけれど、私が確認したのはこの順番だった。
■ 要するに
千早振る、ではなく、千早古る、だ。
■ これに誰も気が付かなかったのか。
■ 私が初めてではない。気が付いた人は、少なくとも一人はいたコトを私は知っている。
■ 調べれば、分かることだ。
■ この歌については何度か書いた。
■ 人の作った推理小説などではなく、いにしえの歌を対象に遊ぼうと思う。
■ 百人一首もその一つだ。
■ 以下、紆余曲折はあるものの、遊びの過程を記録しておこう。
■ 他の歌についての参考になるかもしれない。
続く