■ 去年の春、として、
- うらうらと ひかりのどけき はるのひに こころしずかに はなをめでたり
■ と。
■ これが、どう変化したか、だが、
- はなをめでたり
- はなをめでたし
■ 1から2に心境が変化した。
- 「り」と「し」
■ この一文字で、「願望」になる。
■ それが満たされなかったということで、
■ 「心静かに」が「静心なく」と「人の心」から「花の心」にとらえ方がかわった。
■ 擬人法なのだ。
■ つまり、自分は「心静かに」花を楽しみたいのに、花の方が「静心なく」なのだ。
■ この辺が見せどころということだ。
■ 今年は、と期待しながら、日々の天気を気にしていた。
■ 春は案外天候に左右され、花見時を逃してしまうことも多い。
■ だから、久しぶりの天気を喜んだのだった。
■ 「光のどけき春」と状況が気持を浮き立たせている。
■ だが、現実的には、「しかるに」ということで、
■ 「うらうらと」から「ひさしぶりの」「久方ぶりの」として
■ 「ひさかたの」に置き換えられた。
■ これにより、「静心なく」が強調された。
■ この言葉遣いの巧みさというか、うまいものだ。
■ 「ひかりのどけき」だから「うらうら」は必要ない。
■ まあ、そういうこともあり、
- しずごころなく
- こころみだして
- きもちもしらず
■ めでることもなく花は散ってしまった。
■ となるが、逆に
■ 「うららかな」とすれば「ひかりのどけき」は不要で、
■ 「うららかな」と5文字であれば1句目になり次は7文字となるので、1句と2句目が入れ替わり、
■ 「久方の」と気持ちを表現する言葉として「心待ちした」にすることになる。
■ で、
■ 「はるなのに」は「春の日に」とする方がいいかもしれない。