■ 流行歌は人がその歌に心を寄せるからはやる。
■ 歌は世につれ、世は歌につれ、などと言われたが、
■ 現代においてはそうとばかりも言えない。
■ はやっていたころは、
- 聞く人
- 歌う人
- 作る人
■ レコードを売るための世の仕組みが決まっていたが、
■ シンガソングライターの出現やら、なんやらで構造が変化した。
■ しかし、男女の心情はごく根本的には変わらない。
- 男がいて、女がいる。
- 女がいて、男がいる。
■ 昔も今も変わらない。
■ 俗っぽい歌謡曲は分かりやすい。
- あえば わかれが こんなにつらい
- あわなきゃ よるが やるせない 作詞:吉川静夫
■ 百人一首から幾つか歌を拾っておこう。
- 43番 権中納言敦忠 あひ見ての のちの心に くらぶれば 昔は物を おもはざりけり
- 44番 中納言朝忠 逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
- 89番 式子内親王 玉の緒よ 絶えなば 絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
- 37番 文屋朝康 白露に 風の吹きしく 秋の野は 貫き止めぬ 玉ぞ散りける
■ 万葉集には真珠の歌がたくさんある。
■ 玉となってあなたの肌に触れていたい、などという歌もある。
■ 逢うこと、と、別れること
■ この関係、ふたりの心と心をつなぐ糸、それが「玉の緒」と素朴に捉えると分かりやすい。
■ 44番の歌と89番の歌はよく似ている。
■ 関係を断ってしまえば悩むこともないし、人に知られないよう忍ぶこともない。
■ ということだが、未練なのだ。
■ 「あい見て」しまったのだから。
■ まあ、そういうことだろうが、
- 貫き止めぬ玉
■ はなかなかうまい表現だ。
■ 白露の散る様を歌にしているのだが、・・・
■ なぜ、定家はこの歌を取り上げたのだろうかと思う