なつはきにけり
たみびとが ころもあらいて ほしたるか このまにしろく なつはきにけり 遊水
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はるすぎて なつきにけらし しろたえの ころもほすてふ あまのかぐやま 百人一首
春過而 夏來良之 白妙能 衣乾有 天之香來山 万葉集
はるすぎて なつきたるらし しろたえの ころもほしたり 天之香來山 遊水・訓
■ これが無難な訓読みではなかろうか。
■ 少し現代風にして、google 翻訳してみよう。
日本語 | 英語、google 翻訳 |
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■ 「天之香具山 」を固有名詞として書いたつもりだが「Mt. Amanoka」と訳された。
■ 「Amano-kagu-yama Hill 」 にするのが適当。
リービ英雄著「英語で読む万葉集」2024-11-19、岩波新書には
春が過ぎて夏が来たらしい。白い布の衣が乾してある、天(あめ)の香久山。
■ とある。
日本語 | リービ英雄著「英語で読む万葉集」 |
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■ 彼は現地で見たので山でなく丘と捉えている。
地理院地図 / GSI Maps|国土地理院 標高が分かる地図
■ 海抜 152 m だが、近くの道路を基準にみれば、65 m 故、それが普通の感覚だろう。
■ しかし、次のような捉え方が出来ていないようだ。
■ 白洲正子著「私の百人い首」昭和51年12月15日、新潮選書
私がこの歌からうけるものは、
春雨がからっと晴れあがった翌朝、
洗濯物を干した時のあの気持ちよさで、
むつかしい理屈は無用である。
■ 衣替えの時期になり、今まで着ていた冬服を脱ぎ、洗濯し干すという光景を見て、
■ 女性の天皇が庶民の生活を思いやっている。
■ この際、リービ英雄・訳について少し指摘するなら
■ おそらく「春過ぎて」の「て」を意識したのだろうけれど、
■ 春の次には夏が来るのは当然なので、and は不要、
■ 尾崎雅嘉著「百人一首一夕話」
白妙と書く妙の字は仮字にて、万葉には多く白栲と書けり。
■ garments of white cloth と説明的に書かなくても、「白妙の」は単に white clothes でよい。
■ 現代のように化学染料がない時代だ。
■ 当時、染色がどのていど普及していたかを考えると理解できるだろう。
日本語 尾崎雅嘉著「百人一首一夕話 」 | 英語、google 翻訳 |
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