船の跡
■ 「花さそふ」の歌の本歌として次の歌の記述があった。
- 【本歌】沙弥満誓「万葉」(訓は類聚古集による)
- 世の中を何にたとへん朝ぼらけ漕ぎゆく舟の跡なきがごと
■ いわば人生哲学といった内容で、
■ 本歌とするにはちょっと異論がありそうだ。
- 世の中に 言葉と文字がある限り どこかに何か 跡も残らむ 遊水
- 世の人の 記憶の どこに残るのか 我去り行けば それも意味なく
- [歌番号] 03/0351
- [題詞] 沙弥満誓歌一首
- [原文] 世間乎 何物尓将譬 <旦>開 榜去師船之 跡無如
- [訓読] 世間を何に譬へむ朝開き漕ぎ去にし船の跡なきごとし
- [仮名] よのなかを なににたとへむ あさびらき こぎいにしふねの あとなきごとし
- 「唐詩に船過ぎて浪に痕無し(宋之間)などがある」
■ とあるので一応検索したがうまく調べられなかった。
■ 手元の唐詩選に宋之間の他の歌は幾つか見られたが、見当たらなかった。
■ こんな歌はある。
■ さて、・・・
■ 手元の唐詩選に宋之間の他の歌は幾つか見られたが、見当たらなかった。
■ こんな歌はある。
■ さて、・・・
- 花さそふ比良の山風ふきにけり漕ぎゆく舟のあと見ゆるまで 後鳥羽院宮内卿
- 船過ぎて 水に跡なく なりし後 風に誘われ 散る桜かな 遊水