■ 2023-06-07
■ 昨日の日本経済新聞・夕刊に、高橋のぶ子、小野小町を描く新作長編、として
■ 桂星子、との名で記事があった。
実作としてはっきり伝わるのは「古今和歌集」の18首のみ
■ こんなことが 書かれていた。これが高橋のぶ子の言ったことか、桂星子が書いたことか、
■ よく分からんが、例えば、
島津忠夫訳注・新版百人一首には「古今集」「後選集」にとられた22首が確実な作と言える
■ ・・・と、ある。
■ まあ、このあたりは学者の言うコトの方が信用できそううに思う。
■ 高橋のぶ子は、先に「小説伊勢物語 業平」を書いたことからでもあるのか、・・・
ふたりを男女の仲ではなく、歌の朋友と描いた。
「これは私の願望です」
■ ・・・と。
■ このあたりが、小説の限界だといえよう。
■ 塩野七生は「ローマ人物語」23・危機と克服[下]・新潮文庫・一つの「計器」の項で
作家だからと言って勝手気ままに書くわけではなく、対象に選んだからにはそれについての調査と研究が必要になる。・・・
■ この項は何頁かあるが、ここに書かれていることが、塩野七生の作品の面白さだ。
■ 尾崎雅嘉・百人一首夕話では、古今集の序にある「衣通姫」の流なり、を受けて、
■ 日本書紀・巻第十三・允恭天皇に記載されていることを長々と記している。
■ 古今和歌集序、の
小野小町之歌、古衣通姫之流也。然艶而無気力。如病婦之着花粉。
■ このような記述、即ち、紀貫之のとらえ方をそのまま受けているようだ。
■ 古今和歌集は、
柿本人麿
山部赤人
かの御時よりこの方、年は百年あまり 、・・・
在原業平
文屋康秀
喜撰法師
小野小町
大友黒主
■ これらの人をあげ
紀友則
紀貫之
凡河内躬恒
壬生忠岑
■ ・・・により編纂されている。
■ 藤原定家・小倉百人一首の並びは最初の方は、ほぼ年代順に並べられているような感じだ。
09 小野小町
12 僧正遍照
17 在原業平
22 文屋康秀
・・・
■ 小野小町は僧正遍照や、文屋康秀との交流は精神的な意味も含めあったようだ。
■ 業平との交流も必ずしも否定はできない。
■ 小野小町の言語空間はその時代、および、過去の時代から成り立っている。
■ 和歌に顕れている、ことば、 の世界を調べてみることが必要だろう。
■ 高橋のぶ子「百夜(ももよ)」は
現代だって女性が「男性にとっての女性」「社会にとっての女性」から離れるのは大変
■ と、いう立場のようだ。
■ 古今和歌集の評価が根底にある感じだ。
■ まあ、いい。
思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせばさめざらましをうたたねに恋しき人を見てしより夢てふものはたのみそめてき ●
いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかへしてぞ着る
■ 「夢」の歌が多いので夢の小町などの評もあったようだが、
■ 丸谷才一は、新々百人一首に「うたたねに」の歌をあげ、・・・
■ ・・・の面から評論している。
だが、「人を見てしより」の扱い方が精妙なため、第二層がちらちらゆらめく仕掛けになっていて、その見え隠れの淫蕩さにこそこの歌たの魅力があるやうだ。
■ と。・・・ふうむ。
■ 要するに、当時「見る」というのは、夜に寝て性交をする意味なので、・・・
■ ありていに言えば身もふたもないが、・・・
■ 男と寝てよかった時のことを思い出しながら、うっふん、と思い出し笑いをしている。
■ というコト。
■ このような観点からみれば、このような歌を詠む精神は・・・
■ 高橋のぶ子のとらえる「男性にとっての女性」とかいう感じとはかなり異なるようだ。
■ ・・・
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