2022年7月4日月曜日

山辺赤人は馬に乗っていた。田子の浦にうち出でてみれば

山辺赤人は馬に乗っていた

■ 万葉集に様々な植物や動物が歌われている。
■ 馬も出てくる。
■ 日本書紀 巻第二十九、天武天皇、に
  • 婦女乗馬 如男夫 其起干是日也
■ とあり、いわゆる万葉の頃は
■ 馬はたくさんいて、移動手段として、馬がよく使われたと思われる。
■ これは、百人一首の歌を読むときにも知っておくべきことだ。
■ 以前に、何度も取り上げたが、
■ まとめの意味でもう一度、取り上げておこう。
  •  田兒之浦從 打出而見者 眞白衣 不盡能高嶺尓 雪波零家留
  • たごのうらゆ うちいでてみれば ましろにぞ ふじのたかねに ゆきはふりける
  •  
  • 水際まで 駒打ち駆けて 見返れば 富士は真白に 立ちにけるかな   橋本遊水
  • みぎわまで こまうちかけて みかえれば ふじはましろに たちにけるかな
■ 複合動詞にこんなのがある。
  • たち・いでて
  • うち・いでて
  • こぎ・いでて
  • わき・いでて
■ 一番分かりやすいのは、舟を漕ぐだ。
■ うち・いでる、は馬に鞭を打ち走らせることだ。
■ 万葉集の原文を見れば
  • 打出
■ となっている。
■ 2022年の現代において、日本では、移動手段として馬は使われない。
■ 従って、馬に関する意識は低いか、ほとんど無いのが現状だろう。
■ たとえば、中西進のように
  • 田児の浦を通って出て見るとまっ白に富士の高嶺に雪が降っていたことだ
■ こんな、つまらん認識になる。
■ 馬に鞭打つイメージがあれば、
■ かなり動的に、駿河湾に向かって馬を走らせる様が映画のように目に浮かぶ。
■ 青い海に向かって、水際まで走らせ
■ 馬に乗ったまま、振り返ってみると、
■ 真っ青な空に、真っ白な富士山がドーンと立って見えるのだ。
■ まあ、そういうことでしょう。
■ だから、この歌は好きだ。
■ アニメにすれば山辺赤人の感動が伝わってくるように思う。