2022年12月12日月曜日

天の香久山、の読み方について

 天の香久山
■ 何度も新幹線に乗り、雑事に追われて時間的精神的にゆとりがなかった。
■ まあ、今は一段落しているので、そっちの方は気にしなくていいような気持ちになっている。
■ で、感じとしては久しぶりに、何か書いてみようかなという気になった。
■ 私にとってはまだすっきりしてなかったことのひとつは、持統天皇の歌だ。
  • 春過而 夏來良之 白妙能 衣乾有 天之香來山 // 持統天皇 万葉集
■ 日本語は漢字・かな交じり文なので表現が豊だが、・・・
■ 元々漢字はなかったので、最初は当て字だった。
■ 古事記を見れば分かる。
■ どこかに書いたが、日本武尊の歌に
  • 阿米能迦具夜麻
■ このように書かれている。
  • 「あまの」ではなく
  • 「あめの」だ。
■ 「天之香來山」は「あまのかぐやま」ではなく
■ 「あめのかぐやま」と振り仮名するべきものだった。
■ これもどこかに書いたが、リービ英雄「英語で読む万葉集」には「あめ」と振り仮名している。
■ まあ、
  • あめのかぐやま
■ と発音されていたのを「天香久山」としたものだから誤解が定着したものと思われる。
  • 天之香來山 ・・・ あめの香來山
  • 雨の香來山
■ 「雨のにおいがしてくる山」という風に考えれば、
■ あるいは、正解が得られるのではないか。
■ ここで、この歌の時代背景について考えてみよう。
■ 国を支えるものは「米」だった。
■ 稲作、水田、水、という連想が当然出てくる。
■ とすれば、
  • 雨乞い
■ だろう。
■ 古くから雨乞いをした丘だったと仮定して、調べてみるとよいと思われる。
■ この歌で、天香久山は地名として詠まれているが、
■ その地名はこの丘の重要性を示していた。
■ 納得である。